マーケティングで得られる大きなメリットは2つある

ビジネス戦略・営業

こんにちは、ノブトウです。今回は、マーケティング講座の第2回目です。

好きなものをマイペースに作って生き残れる時代ではありません。

とはいえ、マーケティングを学ぼうにも用語が多いし、実行に対して結果がわかるまで時間がかかるのがマーケティング活動。

でも、マーケティングで得られるメリットを知れば、勉強のやる気も上がるのではないでしょうか?

そう思ってこの記事を書きました。

記事の信憑性

まず僕がどういう人間なのかをご紹介します。
・15歳で本格的にビジネススタート(転売業)。輸出、債権回収⇒学習塾の経営⇒売却後⇒海外生活
・教育IT企業でマーケティング部門を創設。在籍期間の契約法人数80⇒1820(現在更新中)
・複業としてコンサル5社(Web集客、営業戦略)

企業のマーケティング担当者はもちろん、これから自分でサービスを作って起業したい人にも満足いただけるノウハウを提供します。

マーケティングを学ぶ意味

結論から言うと、マーケティングで得られる最大の利益はこの2つです。

①価格競争(値下げ)に巻き込まれない
②営業・販売コストを抑えられる

一つずつ解説していきます。

1.価格競争に巻き込まれない

価格競争が起こるのは、コモディティ化が原因です。

コモディティ化とは?
個性を失い、消費者から見ると、どのメーカーの商品を買っても同じという状態。原義は「日用品」。

資本主義という自由に価格が決められる世界の中では、あらゆる商品はコモディティ化していきます。

コモディティ化されると、消費者は価格だけを見てモノを買うようになります。

価格以外に差異がないんだから安いのを買って当然ですね。

コモディティ化の具体例:ボールペン

たとえばボールペンは、普及し始めた頃(1945年)には15,000円で売られていました。飛ぶように売れたと言います。

それまではインクを付けるか、ペン先の扱いが難しい万年筆しかなかったわけですから、革命的な発明品です。

しかし、今ではボールペンは100円で買えます。技術が広まり、人件費・材料費の安い国で大量生産できます。

たまに、フリクションやジェットストリームなどの新しい価値を持ったヒット商品も出ますが、相場の2倍を超える価格のボールペンは出ていません。

コモディティ化を避ける

適切にマーケティングを実行することで、自社商品のコモディティ化を回避することができます。結果的に高く売れるというわけです。

あるいは、そもそも商品開発の段階で、コモディティ化した市場には参入しないという判断ができます。

2.営業・販売コストを抑えられる

コモディティ化を避けるだけではまだ足りません。

価格競争に巻き込まれないからと言って、あなたの商品が売れるかどうかはまた別の話ですからね。

広告に依存しなくても来店・リピート購入してもらえるようになれば、営業コストが抑えられます。結果的に利益が上がります。

「●●といえば、▲▲!」というように消費者の意識の中にあなたの商品を位置付ければそれだけで選ばれやすくなります。

ジャック・トラウトがこんな名言を残しています。

「マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである」

たとえば、「牛丼を食べたい」と思ったら、思い浮かぶお店は多くて二、三軒です。街中を探せば牛丼を出している店はたくさんありますが、あなたの意識の中には浮かんできません。

別の例。コードレスのコンパクトな掃除機が欲しいと思ったら、絶対にダイソンを思い浮かべますよね。実は(?)、日本の製品もたくさんあります。でも、あなたは正確なメーカー名も商品名も言えないでしょう。

これは、ブランディングと呼ばれているものです。ブランディングは、マーケティングが成功して定着した状態と言えます。

ブランディング化された商品は必然的に選ばれやすくなります。価格競争に巻き込まれないし、営業コストも低く抑えられます。

以上から、マーケティングで得られるメリット2つについてまとめます。

  • ①価格競争(値下げ)に巻き込まれない
  • ②営業・販売コストを抑えられる

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続いて、この二つを獲得するための方法について解説します。

マーケティングが大事なこと、メリットはわかった。じゃあ次は何をすればいいか?

という問いに答えます。

ずばり、差別化、です

模倣されない差別化には、ストーリーが有効

低価格で勝負すると自滅する、技術はすぐに真似される。

かといって、そんな簡単にブランディングなんてできません。

では、どうすればいいのか?

差別化する

これしかありません。

差別化の中で特に有効な方法が、2つあります。

  • ニッチなニーズに応える
  • ストーリーを作る

1.ニッチなニーズに応える

ニッチな商品を作れば、競合相手は少なくなります。

問題は、ニッチな商品はそもそも市場が小さいので購入者に見つけられるのが難しいということです。
もちろん見つけてくれれば購入してもらえるチャンスは他のジャンルよりも高いですが。

とはいえ、マス・マーケティング(市場全体への売り込み)はそもそも個人・中小企業で闘っても勝てるわけがないので、必然的にニッチ・マーケティングになります。

特化する、削ぎ落とす

『僕は君たちに武器を配りたい』の中で、キングジムのポメラが紹介されています。

ポメラは折りたたみ式のキーボードにモノクロの液晶画面がついただけの商品で、通信機能もなければ、インターネットに接続もできない。テキストの入力に特化した製品である。その他の機能を全てバッサリ削った代わりに、単四電池日本で動き、2秒で起動して20時間以上の連続使用に耐えうる。

この商品の企画を発表した会議では、「こんな商品、誰が買うんだ?」と15人の役員14人が反対したが、ある役員1人だけが「待ちに待った製品だ」と絶賛したことから発売が決まった。しかし、実際にカメラが発売されると、すぐにライターやブロガーなど、テキスト入力毎日の仕事とする人々の間で大きな話題となる。結果的に、年間で10万台以上が売れる異例のヒット商品となった。

多くの人が欲しがる製品ではなく、一部の人の「まさに欲しかった商品だ」という思いをすくいあげ、それを商品という形に結実させたマーケターの感性が光る仕事だ。開発者の思いが込められた商品は、市場に出された後で独自の存在感を放ち、時に大きな結果を残すことが少なくない。(一部省略)

PC、スマホが当たり前の時代に、機能を一つに絞っています。

なぜこれがウケたのか?

「ウケた=多くの人のニーズに応えた」と言えます。

機能が多いことは実は不便にもなるわけです。

僕も執筆中に調べ物をしていて、気づくとSNSやネットサーフィンして30分も過ぎていたなんてことがよくあります。

そのニッチなニーズに刺していった商品です。マーケティングのコンセプトが素晴らしい。



今回ご紹介した『僕は君たちに武器を配りたい』は、これから起業したい、マーケティングを学びたいという人には必読書です。

2. ストーリーを作る

FREITAG(フライターグ)というスイスのバッグメーカーがあります。

この製品の特徴は、貨物トラックの幌でできていること。

ベルトまでトラックのシートベルトを使うというこだわり。

新品で並んでいる製品がすでに中古なんです。見た目もくすんでいたり

材料もさることながら手縫いしているパーツも多く、とにかく頑丈。

さらに、フライターグにはストーリーで付加価値がついています。

≫参考記事:【公式サイト】バッグができる様子

フライタグは全然安くない。しかし、お店で一回買い逃すと二度と手に入りません。

使い古しの材料も「世界を旅したトラックの一部」とすれば、ストーリー性が出てきますよね。

さらに、年々高まっているエコ志向ともマッチします。

スティーブ・ジョブズの名言:傷ついたステンレス

スティーブ・ジョブズは、iPodにカバーを取り付けて外観が損なわれるのを嫌ったと言います。

「僕は、擦り傷のついたステンレスを美しいと思うけどね。僕たちだって似たようなもんだろう? 僕は来年には五十歳だ。傷だらけのiPodと同じだよ」
–スティーブ・ジョブズ

外観含めて完成品を提供しているという自負を感じさせる表現です。これもストーリーつくりの一つです。

ストーリーは捉え方、見せ方

ストーリーを語ることは、0円のコストで始められます

ただ語っているわけです。解釈なんて自由。でも、印象に残るストーリーができれば、それが付加価値になります。

  • 古い、くすんでいる⇒歴史がある
  • 重い⇒頑丈
  • 中古材料から調達⇒一点物

という風に、デメリットをプラスに変えています。

組み合わせ次第で新しい価値を作ることができます。新しい価値ができれば、必然的に差別化されます。

ストーリーを作って、消費者にアピールしましょう。

ちなみに、先ほどのポメラの中で「15人中14人の役員が反対する中で1人が大賛成した」というくだりがありましたが、まさにこれもストーリーの一部ですね。ちょっと古いですが、ドキュメンタリードラマ『プロジェクトX』などに出てきそうなエピソードです。

まとめ

マーケティングで得られる最大のメリットは、この2つです。

①価格競争(値下げ)に巻き込まれない

②営業・販売コストを抑えられる

適切にマーケティングするには、

  1. ニッチなニーズに応える
  2. ストーリーを作る

でした。

これから起業する人、会社の予算が限られている人は、お金をかけるよりも前に、言葉や見せ方で差別化できないか考えてみましょう。

今回の記事は以上です。

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