売上が上がらないにはいろんな理由があります。
しかし、個人事業、小さな会社の場合は、答えが明確です。
A. 営業活動をしていないから。
これに尽きます。
いろいろ考える前に、まずはちゃんと営業活動をしましょう。
なぜこんな簡単な答えに行き着かずに多くの人が右往左往しているかといえば、大きな誤解があるからなんです。
今回は、3つの大きな誤解について紹介します。
誤解1:既存の製品より劣っているなら売ってはいけない
先日Twitterでも書きました。
「もっとサービスを改良しないと売れない(=だから営業かけない)」と言う人をたくさん見たけど、結局みんな消えていった。塾業を振り返ると、模試を受けなくなる受験生と同じ。営業して売れ行きやユーザーの声を聞かないと、そもそも何が『改良』になるかわかりませんから。まずは売ってみるが正解👍
— ノブトウ (@nobutou) May 13, 2020
自分で商売(営業)をやってみないと気付けないことなのですが、実は、製品(サービス)の質が向上しても、成約率が劇的に上がるということはありません。
製品(サービス)に足りないことが多くても、買ってくれる人は現れます。
意外にも、初期の方が成約率が高いというおかしな現象が起こります。
マーケティング用語でいうと、「イノベーター」、「アーリーアダプター」と呼ばれる人たちがいるからです。
≫参考記事:『キャズムを超えろ!プロダクトライフサイクルとは?』『キャズムを超えろ!プロダクトライフサイクルとは?』
彼らはとにかく新しいモノ好き。導入実績がなくても、多少高くても、新しいものをどんどん試していきます。
もちろん最低条件はあります。
- あなたの製品(サービス)に既存の製品と何か違った点が一つはある。
- それが既存製品より優れている。あるいはそう見える。
これがあれば彼らに購入してもらえる可能性は高くなります。
だから、自分の製品の欠点を見るのではなく、優れた部分を伸ばしてアピールしましょう。
ちなみに、欠点や足りないところを指摘されたらどうするか?
答えは、正直に認めることです。その上で、「改善を進めます」と約束することです。ここは製品ではなく、あなたの人間性を信頼してもらう、成長性に期待してもらうしかありません。
誤解2:改善しないと売れない
たしかに質が高まると、問い合わせ(リード)は増えます。結果的に熱い商談を見込めます。
しかし、あなたはそれを待つまでの体力(現金)は持っていませんよね?
これだけは覚えておいて欲しいのですが、売っていない段階であなたが思う改善の計画なんて絵に描いた餅に過ぎない、ということです。
実際に使うのはユーザーです。ユーザーの声を聞かないと、真の改善は起こりません。
作り手が一番自分の商品を知っているというのは誤解です。なぜなら、商品(サービス)の価値というのは、使った後の効果、使ったことでどう変化したかにあるからです。
サービスが向上していると思っているのは、実は作り手だけであって、お客さんから見れば大した問題ではない場合があります。あるいは、改悪と思われる可能性だってあります。
特にイノベーター、アーリーアダプターの顧客は、「ある機能だけ優れていればあればOK」という人も多いです。また、作り手の人間性を気に入ったからとりあえず買う、多少の不具合は大目に見る、という人もいます。
結局、営業して売ってみないとわからないのです。モノが売れないと的確な商品開発なんてできないんです。
プロダクトが向上すると解約率は下がる
これは確かですね。どんなにいいものでも買うことに満足して全く使わない層がいるので(例えば僕は積読多いですが苦笑)、解約率がゼロになることはあり得ないです。そこは気にしても仕方ありません。
質を上げて継続が下がるということは、それだけ長く使ってくれる人が増えます。長く使う人がいればお友達に紹介してくれる人も増えます。これが結果的に問い合わせ(リード)が増えてくる理由です。
でも、前述の通り、時間がかかるのが問題点。
やはり、まずは目の前のお客さんをつかまえて製品をアピールしましょう。
誤解3:完璧になる日なんて永久に訪れない
ニーズやマーケットは日々目まぐるしく変わります。
ある時点、ある顧客層には。そうでなければ、下克上なんて起こりませんよね?
最高の商品だと思われていたものが、いつの間にか新しい商品に取って代わられたなんてことはよくある話です。
完璧を目指すよりも、まずは現在の顧客の不便を解消し、彼らが求めるものを形にしていきましょう。
ここで「よしイノベーションだ!」と、顧客ニーズを超えた未来の設計づくりを考えるのは禁物です。
はっきり言って、イノベーションなんて一部の天才たちに任せておけばいいのです。彼らが切り開いた新しい潮流が見えたところで、その波に乗ればいいのです。
塾業時代の振り返り:模試を受けない生徒
僕の話をします。以前学習塾を経営していました。高校三年生になると、模試が増えるわけですが、受けなくなる(拒否)する人が増えてきます。有名大学を受ける生徒に多い。
彼らの言い分は大体決まっています。
- 実力がない時点で模試を受けても時間がもったいない
- 模試の問題はそのまま試験に出るわけではない。もし受ける時間があったら勉強したい。
- 自分の足りないところはわかっているから、模試を受ける必要がない。
これだけ聞くと、真っ当な意見に聞こえます。
しかし、結果を言うと、彼らは全員落ちました。
落ちなくとも、「自分で勉強します」と言って塾を去って家に引きこもりました。(自分でできないから塾来てたのに)
自分の実力がわかり、受からない未来が迫ってくると、現実から目を背けていきます。
この話の「模試」を「営業」に置き換えてみてください。あなたも同じような言い訳をして営業をしない自分を正当化していないでしょうか?
あなたも、例外ではありません。
繰り返しますが、まずは売ってみること
もちろん改善は常に意識しましょう。でも、売るという活動は初期から始めなければなりません。
足りない部分があるのは仕方ありません。
大事なことは、現状がどうか、この先の未来を良くするために何をしなければならないかの確認することです。
そのためにはいくら厳しくとも、営業をはじめて顧客を見つけて、彼らにチェックしたもらうしかないんです。
それなくして本当の改善はありません。あなたも営業することから逃げずに、同時にひたむきに製品・サービスの向上に努めましょう。
今日の記事は以上です。
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