【マーケティング講座①】マーケティングとは?

ビジネス戦略・営業
「マーケティングって何をすること?」
「集客、営業、マーケティングって違うの?」

こういった疑問に答えます。

本記事は、マーケティング講座の最初の記事です。これからマーケティングを勉強する人にお役に立てる講座(ブログ連載)を執筆しています。
第二回目は『マーケティングで得られる大きなメリットは2つある』(近日中に公開予定)。

マーケティングとは? 定義は3つある

結論からいうと、実は、マーケティングの定義は定まっていません。有名な三つの定義をご紹介します。

①「顧客、得意先、パートナー、社会全般にとって価値のある提供物を、創造、伝達、提供、交換するための活動、期間、プロセス」
(全米マーケティング協会,2007年)

②マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズやウォンツを満たす社会的・管理的プロセスである。
(by フィリップ・コトラー)

③「マーケティングの目的は、売り込みを不要にすること」
(by ドラッカー)

このほかにも10個くらい定義があります。でも、どれも帯に短しタスキに長し。なぜこれだけ分かれるのかについても後ほどご説明します。

とりあえず、マーケティングとは、商品が『売れる仕組み』を作ることと覚えておいてください。

「作って売る」から「売れるものを作る」へ

マーケティングを正しく進めると、あなたの商品が売れるようになります。

でも、そんな簡単に売れませんよね?

  • 消費者はなるべくお金は出したくない
  • 競合他社が類似商品を出している
  • 選択肢が多すぎる

そんな中で、あなたの商品を
(1)見つけて、(2)興味を持ってもらって、(3)購入してもらう。できれば、(4)商品だけでなくあなた自身のことを気に入ってもらって、(5)リピート購入してもらう。

この消費者の5つのプロセスを仕組み化して促進するのが、マーケティングです。

POINT

マーケティングとは、
お客さんにあなたとあなたの商品の価値を見出してもらい、自ら進んでお金を出してもらうようにする仕組みを作ること

さて、ここからはマーケティングについてガッツリ学びたい人向けの内容です。

本マーケティング講座で得られること

マーケティングには王道(攻略法)が存在します。学問としても一分野を築いています。

理論は無視しても売れる時代は確かにありました。靴底をすり減らして、あるいは電話回線が焼き切れるほど電話をして売り込む・・・もうそういう時代ではないんですよ。

学んだマーケティングの理論をそのまま自社の商品に適用していきましょう。

たとえば個人事業でも、理論通りに改善をするだけで数百万円の売り上げが上がったりします。よくあります。

でもみんなやってないから「商談を増やす」ことばかりやってます。

消費者の立場で考えてみると、売り込まれる方も辛いんですよ(笑)

『北風と太陽』の話でいうと、太陽作戦でいきましょう。消費者に自ら行動してもらうのです。

というわけで、売り手としては、理論を学んでから実践です。バカ売れするかはわかりませんが、少なくとも大きな損失を抱えることはありません。

コロナの影響でこれから不況が訪れます。先人の知恵を使って、生き残りましょう。

はっきり言って、大半のビジネスマン、経営者はマーケティングに関してみんな素人です。社内で教えてもらった集客・営業のやり方をそのままなぞっているだけ、過去の経験則にちょい足しを続けている、というのがほとんどです。

この記事を読んでもらえれば、マーケティングの全体像、学習トレーニングが学べます。一つ一つステップアップして学べるように作っています。

繰り返しますが、マーケティングは最強のスキルと断言します。

記事の信憑性

まず僕がどういう人間なのかをご紹介します。
・15歳で本格的にビジネススタート(転売業)。輸出、債権回収⇒学習塾の経営⇒売却後⇒海外生活
・教育IT企業でマーケティング部門を創設。在籍期間の契約法人数80⇒1820(現在更新中)
・複業としてコンサル5社(Web集客、営業戦略)

企業のマーケティング担当者はもちろん、これから自分でサービスを作って起業したい人にも満足いただけるノウハウを提供します。

この記事がお役に立てる人

  • マーケティング部に配属された人
  • ベンチャー企業の営業職
  • 将来起業したい人

マーケティングの全体像

マーケティングとは、『売れる仕組み』を作ることです。

それに伴い、マーケター(担当者)の役割は、『売り手と買い手の橋渡し』をすることです。

企業の活動においては、さまざまな部署・人が関わりますよね。商品を作る人、広告を打つ人、カスタマーサポート、営業担当など。

マーケターはすべての部署と密に連携してマーケティングを実行していく必要があります。

マーケティングの全体像は、以下の通りです。

「●●マーケティング」という言葉は統一されていない

『マーケティング』の定義が複数に分かれているのは、マーケティング活動が抽象的・広範に及ぶからです。

たとえば、プロダクトに関する領域のマーケティングは、『プロダクトマーケティング』。他には、有益な情報(コンテンツ)をブログで発信して潜在顧客を集める手法を『コンテンツマーケティング』というものもあります。領域や手法によっても「●●マーケティング 」という言葉が用いられるので、だいぶわかりにくいのですが、まずは、上掲画像の区分けを覚えてください。

実務では、

  • どの部分に関してはマーケティングを担当するのか?
  • どの順番でマーケティング計画を進めていくのか?

を決めてからマーケティングを始めましょう。

オーソドックスなマーケティング

一般的なマーケティングの手順はこの通りです。

  • 0.マーケット、消費者ニーズを調査
  • 1.市場での認知を広めて
  • 2.見込み顧客を集め
  • 3.他社ではなく自社の商品を購入してもらい
  • 4.リピートを促す

具体的な行動でいうと、以下です。

商品(モノ、サービス)の設計を考える
⇒顧客は誰か? 顧客のニーズを調べる
⇒商品を調査結果に合わせる
⇒価格を決める
⇒広告を打つ
⇒興味のある人をサイトに誘導
⇒資料・カタログをダウンロードしてもらう
⇒提案する
⇒成約!
⇒購入者にメルマガ・電話でリマインド
⇒リピートしてもらう
⇒売れ行き、消費者にヒアリングして改善

一つ一つにノウハウが必要ですが、この順番を守ってマーケティングを進めていきましょう。

マーケティングの順序

マーケター(マーケティング担当者)は、売上を上げるための施策を短期・中長期的に分けて打っていきます。

調査⇒立案⇒実行⇒フィードバック

この順で各部署と連携して進めます。

具体的な内容は、『マーケティングを始めよう』をお読みください。

マーケティングと営業の違い?

この二つの違いってわかりにくいですよね。中小企業だと、同じ社員が兼任していることの方が多いです。

結論からいうと、マーケティングと営業の違いは、個別の提案⇒契約(販売)までやるかどうかです。

ウェブで完結する商材=営業マン不要

しかし、この分け方は製品によって変わります。なぜなら、営業担当者がいらない商品・サービスもあるからです。

たとえば、オンライン課金、オンライン決済のサービス。

Amazonなどのネットショッピング、Netflixやスタディサプリなどの動画サービスなど。

これらはウェブで申し込みますよね。営業マンはいりません。

担当者が家に来ることもありません。電話も来ません。

セールスマンっぽくない営業もある

続いては、モノの商品はどうでしょう? たとえば、アップル。

アップルの社員がスーツを着て、Macを売り歩くことはありません。

でも、アップルにもちゃんとセールスマンはいます。街中にアップルストアがありますね。カジュアルな服を着て、とてもフレンドリー。彼らはカスタマーサポートを担当していますが、実はセールスマン(営業)でもあります。

見た目や振る舞いではセールスとわからない

誰に売るかによって営業が必要か変わる


みなさんはご存知ないかもしれませんが、スタディサプリって高校には営業しています。リクルートの営業部隊が一件ずつ高校を回っています。学校で使うとなれば、BtoB(法人向け商品)。営業担当がいないと運用が難しい。

でも、営業部隊が、個人ユーザーに営業かけることはありません。(マーケティングで事足りる)

以上のように、同じ製品でも誰に売るのかによって、セールスの比重は変わります。

基本的に法人向けサービスは、継続型・高額なものが多く、営業マンが必要です。

マーケティングの目的は、売り込みをなくすこと

冒頭にあげた、マーケティングの定義の三つ目を思い出してください。

経営学の神様ドラッカーは、マーケティングについてこう述べました。

「マーケティングの目的は、売り込みを不要にすること」

売り込みせずとも売れていくのが理想です。

マーケティングの上手い会社は、営業をかけずに売れる仕組みができています。

先ほど挙げた、Netflix、アマゾン、アップルは、圧倒的に強いマーケティングを実施しています 。

アップルストアに営業してくるスタッフがいないのは、マーケティングがしっかりできているから。(アップルストア自体がマーケティング活動の一部です)

日本では、ユニクロ、アスクルなどが有名です。

ユニクロ店員の接客

突然ですが、質問です。

ユニクロに行った際に、店員から「こちらはいかがですか?」、「どういったものをお探しですか?」と訊かれたことはありますか?

おそらくないでしょう。

ユニクロの接客は、この程度です。

  • カゴを渡す
  • 訊かれたら答える
  • 試着室の空きをお知らせ

他のアパレルと違って、ユニクロの店員が自らお客さんに話しかけることはありません。

だからユニクロが売れているかというと、それは違います。

逆です。売れる仕組みが出来上がっているからプッシュする必要がないのです。

ユニクロはマーケティングを追求し、売れる仕組みをすでに持っています。

  • SPA(製造・物流・販売を一貫化)により、中間業者へのコストを削減し、低価格を実現
  • マス向け商品を低価格で提供しつつも、ダサさくないデザイン

安売り競争に巻き込まれがちなコモディティ商品を扱いながらも、「大量生産そのものをブランディング化」しているのです。

だから、ユニクロにとっては、店員が売り込みをすると思われる方がむしろマイナス。

反対に、他のアパレル起業では多少嫌われても売り込んでいかないと売上は上がりません。

高価格の商品になるとそもそも買う層が限られるので、スタッフは名刺を渡したりお礼状を渡す間柄になり、店員が担当になっていかないといけません。(大塚家具など)

マーケティングを強化し売れる仕組みを持つというのは、営業を減らすという意味で重要です。

▼まとめ:マーケティングとは?

POINT
  • マーケティングの定義はいくつもある。範囲・手法・対象によって異なる。
  • 『売れる仕組み』を作り、究極的には、「売り込み」を不要にすること。
  • 消費者に売るのではなく、消費者が自ら進んで買いたくなるように仕向ける。

今回の内容は以上です。

次の記事は、「マーケティングで得られる二つのメリット」についての話です。

本記事で取り上げた内容についてさらに深堀していきます。

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