本田直之『レバレッジ人脈術』関わる全ての人が最大の成果を生む方法
2019.06.06
ブロガーのノブです。本田直之さんの著書で4冊目の書評です。
今回は『レバレッジ人脈』のご紹介です。
『人脈』って言葉はうさんくさい響きがして、以前は意識的に避けていたことがあります。
以前付き合いのあった人で、「人脈」を連呼する奴がいて、いろいろ紹介を求められたりいやーな思い出があります。セミナーで名刺をばらまく人とかね。意識高い”系”と揶揄される人に多いですね。
そういう負の面はとりあえず置いておきます。人脈自体が大切なことであることを疑う人はいないでしょう。
誰もが経験あると思いますが、もともと繋がっていた人と思わぬタイミングで仕事上のコラボをしたりすることがありますよね?
何か始めたい、サポートを得たいと考えたときに、本当に頼れる人ってそれまでに信頼を築いている人だけです。
本書が役に立つ人
- 長期的に人脈を築きたい人
- 他者と一緒に成長しながら、お互いにメリットを享受したい人
- 思わず「ひとに紹介したくなる人」になりたい人
- 人脈を築くプロセスを一つ一つ学びたい人
他者と個人的な付き合いを持って、お互いの価値観を共有でき、さらに仕事でも付き合えたら最高ですよね。
前回の記事に、「仕事仲間と友達の融合」について個人的な信条を書きました。
今回は本田直之さんの『レバレッジ人脈術』から、自分と、自分に関わる全ての人の成果を最大にする術についてご紹介します。
延藤はこの本のノウハウ(人脈術)を利用して、本田直之さんご本人と会おうと考えています。
その取り組みについてまた別の記事で詳しくご紹介します。
人脈とは?
goo辞書
《山脈・鉱脈などになぞらえた語》ある集団・組織の中などで、主義・主張や利害などによる、人と人とのつながり。「豊富な人脈を誇る」
いわゆる人脈
一般的に言われる人脈というのは
- 困ったときに助けてくれる人
- 自分に利益をもたらす人
という意味で捉えられていますね。いかにも利己的な響が漂います。
最近話題になった三浦崇宏の人脈論
そんな『人脈』という言葉について、R25で三浦氏はバッサリ斬っています。
リンク:“人脈”なんて言葉を使ってるヤツはクソ。
https://r25.jp/article/594716547748366293
人脈なんて言葉を使ってるやつはクソだよね。
人脈って、“損得”という一面でしか人を捉えていない言葉だから。
人のことを金儲けの道具としか見ていない。そんなの下品すぎるでしょ。人脈って、地球上で最も下品な言葉だと思うよ。
辛辣な言葉です(笑)
さらに
損得で判断したことはないね。
オレが常々思っているのは、「この人と関わったらプラスになるか」なんてわかんないってこと。その人と5年10年関わってたら、どういうつながりになっているのかなんて想像つかないでしょ。
(5年前に合コンで知り合った飲み友達に超有名アーティストのプロモーションの仕事を依頼された)
つまり、無駄な人間関係なんて存在しないっていうのがオレの持論。
後ほど書きますが、人脈づくりにはタイミングも重要です。三浦さんは
「会うべき人間になる前に会ってもしょうがねえんだよ」
とも言っています。この三浦さんの引用に「人脈」という言葉を使うのは恐縮ですが、人に会う、関係を築くにも段階があります。
これは本書『レバレッジ人脈術』にも詳しく書かれています。
本田直之さんが意味する人脈
レバレッジ人脈術とは
大前研一さん
人脈と言うと、「自分の役に立ってくれる人」という考えでは長続きしません。いつも頼み事をするだけでは直に相手にされなくなります。(いかにして相手に役に立つ日)に思いを言い出さなければ、豊饒な人脈は気づけない。(頼むより頼まれる人物になる)。人脈作りは、ここから始めよう
これを引用した上で、
POINT
私の考える人脈とは、情報交換したり、人を紹介したり、刺激しあったりして、一緒に成長していけるようなマインドの高い仲間のこと。
何かをしてもらおうと言うのは、とてもパッシブな考え方だと思います。人脈をパッシブではなくて、アクティブに考えていくのが、レバレッジ人脈術なのです。
と、述べています。アクティブに、そしてミューチュアルに育てていく、というのが本田さんの『人脈』の定義です。
積極的に人脈づくりをしている人9.2%
本書に書かれてあるデータです。
・積極的にしている……9.2%
・機会があればしている……47.6%
・ほとんどしていない……30.8%
・全くしていない……12.1%
(アカデミーヒルズ調べ。1200人回答)
「機会があれば」という人が約半数を占めていますが、これは何もしていないに等しいでしょう。
本田さんは、終身雇用制度が崩れて、会社の寿命が労働寿命より短くなったことを前提として、
「会社依存時代」から「個人サバイバル時代」へ変わったと主張します。
- 「会社依存時代」における人脈=現在人脈・・・今の仕事に関係ある人脈
- 「個人サバイバル時代」における人脈=未来人脈・・・これからの人生に関係のある人脈
もちろん現在人脈も必要ですが、仕事を真っ当にこなしておけばそれなりに広がります。
ただ、これからはそれだけでは生き残れない時代になってきました。
会社の寿命<労働寿命
これについては、神田昌典氏のベストセラー本『2022年ーーこれから10年活躍できる人の条件』でも書いてありますね。
未来人脈のための僕のブログがある
余談ですが、このブログは未来人脈のために作っています。このブログを見てご連絡いただいた方とはぜひお会いしたいと考えています。
現在の僕は仕事上何か助けを求めたい・頼みたいということはありません。
しかし、数年内にはまた新しくビジネスを立ち上げることになりそう。そのときに「こいつは信頼できるからちょっと手伝ってあげよう」と思える人が少しでもいれば、ビジネスの勝算は大きく上がります。
ヒトモノカネで一番ネックになるのは、ヒトですからね。
そのためにもゆとりのあるうちに、友人知人の起業やビジネス拡大をお手伝いしておこうと考えています。
『人脈とは大きな目標に沿って、ゆっくりつくられるもの』
「●●さんを紹介してほしい」
「課題を解決するために、今すぐ人脈が必要」
と思ったところで、人脈を築いていないと手を挙げてくれる人はいません。
相手の立場になったら容易にわかることですが、関係を築いていない人からそのような相談を受けても力になろうとも思えませんよね。
(P29)
いざ必要になってから急に人脈を作ろうと思っても、もう遅いのです。
自分が何をしたいのかを明確にし、人のつながりを大事にし、マインドの高い人とのつながりを作っていくと言うスタンスでいいのです。
人脈作りにはタイミングとステージがある
人それぞれビジネス、ポジションは時期によって変化します。
バランスを欠いた関係。片方だけがギブするだけでは関係は続きません。
人脈というのは、なるべく近いステージで長期間一緒に成長できる関係というのが前提条件です。
三浦さんも同じことをおっしゃっていました。
若い人って「尊敬する人には、どんな手を使ってでも会う」っていうヤツもいるじゃん?
そこ、オレは逆だと思ってるんだよね。
会うべき人間になる前に会ってもしょうがねえんだよ。
相手がオレに頼みごとがあるとか、オレが相手に頼みごとがない限り、会っても何もいいことはない。今でも「○○さん紹介するよ」っていうのは、基本全部断ってる。
お互いが近いステージにならないと、一方だけがお願いし続ける関係になります。
本田さんも三浦さんも、有名人と知り合うメリットはないと言います。
有名人になると、自分に頼みことをしてくるばかりが近づいてくるそう。疑心暗鬼になりますよね。
そういうときに知り合っても、ステージが異なれば心を開いて付き合ってはくれません。本人に利益を得ようという意図はなくても、そう思われることは十分あり得ます。
そういう意味で、有名人とは深い関係を築くことはほぼ無理でしょう。
本田さんは人付き合いをベンチャーキャピタルの投資に例えて、
引用:
やはりアーリーステージの頃に出会い、一緒に成長していったほうが、お互いに得られるものはずっと大きくなるのです
と言っています。
確かにここは株式も個人も同じなのかもしれません。最初に関係を築けばそれだけレバレッジ(てこ)が利いて、長期間お互いのメリットを享受できるでしょう。
人脈を広げる時の注意点
人脈を広げるには、相手との相性、属性、いわゆるウマが合うかというのも大切です。
人と人なので、ひとくくりに相性といっても、どういった点を基準にすれば良いのでしょうか?
その判断基準の一つは、「自分の大事な人に紹介できるかどうか」です。具体的にダメな理由は見つからなくても、「ちょっと紹介できないな」と思うこともあります。
そういう直感的な判断でも構いません。
もう一つ挙げるとすれば、「その人と長期的に付き合っていけるかどうか、想像してみる」のも有効です。
これはなるほど!と思いました。直感大切です。
知り合いに物理講師がいます。学歴も高い、授業もわかりやすい、生徒の受けも良い。でも、予備校・塾に紹介しようとは思わないです。
お金の取り決めに毎度ハードな駆け引きを仕掛けてくるからです。本人は悪気はないとは思いますし、自分を高く売ることは大切だと思います。
僕は彼の性格を知っているので一緒に仕事はできます。でも、他社に紹介できるかとやはり厳しいかなと。
僕が紹介することによって僕の評判を落とすことがあるかもしれないからです。
こういうのは直感的な判断ですが、一事が万事。こういう、「ん?」と思うところを無視して知人に紹介した場合、大抵うまくいきませんでした。
他にもあります。
業績が順調なときにはすごく利他的で周りからも評判はいいけれど、業績が落ちると途端に「これまで世話してやったんだから便宜をはかれ」という人とかね。
こういう人とは気持ちよく付き合えません。皆さんの周りにも見つかるかと思います。
紹介を食いものにする人
twitterでフォローしているハヤカワ五味さんのツイートこんなのがありました。
うわー、そういう奴いたなぁ。
と思い出しました。
いざ紹介しました。しかし、その後進捗について連絡がなかったり、あるいは紹介した人に不義理をしてそれについて何も音沙汰なしで、僕が謝って回るということがありました。
それについて一緒に仕事している友人Kさんにふと愚痴を漏らした時、Kさんは人を紹介することをアンパンマンが頭を分け与える行為に例えて諭してくれました。
そうなんですよね。他人に紹介を頼むということは、その人の価値を分けてもらうということです。
反対に紹介するときは、価値を分け与えるということです。
単に仲介することは簡単ですが、紹介する方にも、紹介される方にも責任が伴うのです。
相手の3つの価値
本田さんは人脈づくりの具体的な話をする前に、「三つの価値を理解する」ことを知っておく必要があると言います。
相手の財産を奪わないように、あるいはこころよく分けてもらえるように、相手の価値への配慮は必要になります。
先ほど書いた、人脈を焼け野原にしてしまう人というのは、こういうことを無視して自分の利益を最優先で動きます。
本当に気をつけなければなりません。
6つのタブー
本書に紹介されている6つタブーが紹介されています。
- 名前も言わずにお願いする
- 相手の都合を考えないアプローチやコンタクトをする
- 自分の話しかしない
- 意味のない紹介をする
- 「お願い」ばかりする
- 「メンター」になることを依頼する
僕自身を振り返ると、「名前を言わずに」「メンター依頼」以外はやってしまったことがあります。
特に一番やって失敗したのは「意味のない紹介」をするです。良かれを思いつつ、自分の都度で相手がそこまで興味を持っていないのに、「じゃあ今度紹介しますね」と言って、次の日にはコンタクトとったこともしばしば。。。反省です。
ギブではなくコントリビューション
本書以外でも本田さんはよく「コントリビューション」(貢献)という言葉を使います
「ギブ・アンド・テイク」という言葉はよく聞きますが、このギブという響きにはとても上から目線な印象を感じますよね。
僕もこの言葉は使わないようにしています。
本田さんは『人と会うときには、まず「この人に対して自分はどんな貢献ができるか」を考える』とおっしゃっています。
コントリビューション4つのレベル
会いたい人にアプローチしてからお互いに成長していくには四つのプロセスがあります。順番に難易度が上がっていきます。
・情報
・プレゼント
・ノウハウ
・コネクト
具体的な内容は本書をご覧ください。
最初の情報の提供にはtwitter、LINEを使っています。
twitterでは僕の商品に興味があるお客様、すでに導入いただいているお客様に。
LINEは主に個人的な形で、その人に役に立ちそうな情報を送ります。
そのためには日々インプットが欠かせませんが、自分の役にも立ちますし、いいことばかりです。
紹介ももちろんしていますが、なかなか有効にできていません。
この本にもあるとおり、自分は「この人は重要だ」と思っていても、相手はそう思っていないことは良くあるからです。独りよがりなコントリビューションにならないように気をつけたいです。
まとめ
自分一人でできることってほとんどないですよね。
だからこそ多くの人がサラリーマンを選ぶわけですが、これからは個人でどう戦っていくかという時代です。
社内の人とだけ円滑にしていてはどうにもならないのです。
人脈なしには仕事を広げることはできません。仕事を広げないと人脈も広がりません。
戦略的に人脈を広げることは決してずるいことでも利己的ではありません。まずは相手へのコントリビューション、そしてステージ・タイミング・相手の価値を見ながら、時間をかけてゆっくりと形成していきましょう。
この本にはまだまだ良いノウハウがあります。
・人脈の継続のノウハウ
・ネットワークの主催
・メールなどでのアプローチ
etc.
小手先でできるノウハウは一つも書いていないですが、そもそも人脈を形成するって大変なことですから。
心の底から共感し、ともに成長できる仲間を作りたいですよね。
最後に有名な引用をご紹介します。
ジム・ローン(米国のスピーカー)
”あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる”
人脈の大切さを上手く表した言葉ですね。
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