タイ・バンコクで出会った2人の商人からビジネスの原則を学んだ

旅・移住のこと

最近妻が「タイに行きたい」としきりに叫んでいます。

どうもブロガーのノブトウです。

*注釈
この記事は2016年2月に妻とご両親と一緒にタイへ旅行に行ったときのエピソードです。帰りのフライトで書いた日記をリライトしたものです。

非先進国で感動することはいくつもあるけど

旅行に出かけて得られるものはたくさんある。

非先進国で感動することの一つは、真っ当な商売を心がける人との出会い

非先進国は物価、賃金の安さゆえに、たくさんの旅行者(先進国民)が訪れる。

観光客相手の商売はぼったくってなんぼ

ほとんどの商売人は外人から金をふんだくろうと高額な料金をふっかけてくる。

日本人を含め外国人旅行者の中には「金を出してやってる」という意識で行動する人間が一定数いるので、そいつらを丁重に扱うだけアホ臭いと感じるのも無理はない。

そうでなくても周りの商売仲間は高い金をふっかけて儲けているわけだから、自分だけ清く正しく現地人価格、あるいは平均的な外国人価格で平等に扱うということはできない。

それは当然なことであって、僕がもしそういう国に生まれたなら同じことをするだろう。

今回のタイでも何度もそういう場面を目にした。

今回はバックパック旅行(ビンボー旅)ではなく、スーツケースを持ち、服装も日本と同じだったため、高い料金をふっかけられたりごまかされることが多々あった。容貌、挙動、同行メンバーを彼らはよく見ているものだなと思った。

返報性の原理

その中で2人だけ、現地人価格で物を売り、目的地に運んでくれる人がいた。

彼らは英語が堪能でないということもあったが、何も言わず”通常の”料金を請求した。

「え? 安いね」と僕が言うと、「そんなことないよ。こんなもんさ」と平然と答える。

『ミスター、ほんとは高いけどあなたにだけ安くする』なんてムダ口は付け加えない。

思わず感動して、チップとして倍以上の料金を払った。

ひとによっては「先進国的な上から目線な振る舞いだ」と言うかもしれないが、こちらとしても無駄な交渉に時間を使わなくて済むし、何より気分が良い。

さらに心の姿勢の大切さに触れることができる。

これは先進国で一般的な生活を送っている中ではそうそう感じられることではない。

なので、時間の節約にくわえ、そういう体験をもらえた対価として、チップに乗せてそれを払う。

人間というのは感謝を感じたり、与えた以上のものが返ってくるとさらにお返ししようという気になるものだ。

返報性の原理

人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。

ーwikipedia

旅行者側にもモラルが必要だと思うわけ

旅行者のブログを見ると、いかに値切るかを自慢している人がわりに多くいる。直接見たことも何度もある。

いつ終えるかわからないバックパック旅行者なら値切って少しでも先に蓄えを残さなければならないし、僕もバックパック旅行をした時は値切り交渉はよくした。でも執拗にしたことはない。バックパック旅行なんて先進国民の戯れみたいなもの。節度というものがあるのではないか?

さらに普通の休暇旅行ならそこまで執拗に値切らなくてもよいはずである。どうせ自国に戻れば1時間もせず稼げる金に貴重な滞在時間を値切り交渉に充てなくてもよい。

僕のような人間(旅行者)が増えれば、「親切に商売してればいいことあるな」という人が増えるのではなかろうか。

これも上から目線といわれたらそうかもしれないが、やはり旅行という行為が先進国的なものである、そもそも。

時間的にも経済的にも不必要な交渉に言葉を重ねるのは不毛であるし、お互いにとって良いことである。

そういう小さな積み重ねが、国内的にはモラルや治安、国外的には外国人への親愛につながると信じている。

ところで、外国を旅行するとき僕は自分が日本人であることを意識する

日本では変人キャラでなるべく通しているが、国外にあっては自分の言動が「日本人の言動」ととられることを自覚しているので、いつもの何倍も気をつかう。これも旅行で得られた貴重なものの一つだ。

以前の僕は、旅行なんてものは、よほど暇な人がやるもの、他人に自慢するために行うものだと思っていた。なので国内外含め自分で旅行に行ったことは一度もなかった。26歳でやっと旅行に楽しみを覚えた。

何事もその年齢でしか得られないものがある。いくら「ああもっと若いころに旅行していれば別の捉え方ができただろう」と思っても、後の祭り。

もったいないことをしたなと思えるが、こうして多角的な物の見方がーーある程度であれーー身に付いてから旅行を始めたことはむしろ良いことなの

ではないかと今では思える。

さて、次はどこに行こう。

それじゃ、また。

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